考察(?)…三題


CAPワークショップの開催形式については、次の三つに分けられる。


1)葛飾区のように行政(教育委員会)が、CAPワークショップの
 グループに、直接依頼し、公教育の授業の場でCAPの時間を設ける。
 あるいは公民館などが企画および主催を行い、参加者は一般公募するなど。
 つまり、行政が、企画から実施までの全責任を持ち、CAPのグループと交渉
 して実施するもので、あいだに一般の人が実行委員などで介在する必要の無いもの。

2)CAPワークショップのグループが、自分たちでワークショップを,企画、主催、
 実行する。(その場合は、ワークショップの参加者は一般公募ということになる
 かな)つまり、CAPのグループが企画から実施までの全責任を持つもの。

3)有志が実行委員会を作って企画し、CAPグループに依頼し、自分たちの
 地域に、CAPグループを招いて実施するもの。
 PTA主催の実施や育児マップの会のような市民自主企画(公民館は場所とお金を
 援助するだけ)もまた実行委員会方式と言える。

 「小学校主催」形式でも、実際はPTAから選出された実行行委員が、CAPグループ
 との講師料や実施までの段取りを交渉するものも、3)の実行委員会方式にはいる…かな。


3)の「実行委員会」について


CAP講師スタッフのグループの方の中には、ひょっとしたら、「大人ワークショップを受ける
参加者の一部の人が実行委員会をつくった」くらいの認識を持っている方がいるかもしれません。
しかし、実行委員会と他の大人ワークショップの参加者は、別々の人達だと思われていただいた
ほうがいいんじゃないかと、私は個人的に思う。
 (PTA主催であっても,実行委員(核)になるメンバーはいる。)

実際、ウチの実行委員会のあるメンバーは、ある参加者に言われた。
「CAPが近くで催されていたら、子どもを参加させてみようかなと思う親は多いわよ。
でも、自分の地域でCAPを実施しようというところまでする親は、なかなかいるもんじゃないわ。
えらいわよねぇ」
   (ほめられているのか,けなされているのか…)
   (キトクな人だと思われたのは確かなようだ…)

また、子どもワークショップに子どもを参加させ、自分は大人ワークには参加しない親もいるが
そういう親はたいてい子どもに一回受けさせれば十分だと思うようだ。

実行委員会のメンバーは、CAPについて少なからず学習しているので、少なくとも子どもに
低学年で1回、高学年で1回は受けさせてほしいと思うし、自分の子どもだけワークショップに参加
させても効果は十分でないことを知っている。
自分の地域で,継続的に,出来れば学校でクラス単位で行われる事を望んでいる。

自分の子どもに受けさせれば十分と考えるなら、なにもわざわざ面倒な企画や説得をしなくても、
もよりのCAPグループに、一般参加者を募るワークショップについて問い合わせ、多少交通費を
使ってでも、遠くの地域で開かれるワークショップに連れて行って参加させたほうが、労力も気苦労も
必要ないのだから。

講師を「ファシリテーター(水先案内人)」と呼ぶなら、実行委員会のメンバー
地域とCAPをつなぐ「コーディネーター」で、「マネージャー」で、
CAP未開地域(笑)におけるCAP実施の ための「営業」「広報(宣伝)」担当です
役割を大げさに言えばね。 (^_^;;;)


「ワークショップを受ける参加者」と、「実行委員会のメンバー」
「CAPの講師スタッフさん」
たちの関係についての考察?


ファミリーレストランをモデルに。(あ、ファミレスでなくてもよいです)

レストランには「客」と「従業員さんたち」と「店長さん」がいる。
お客は料理をおいしく味わうために来る。
そして、従業員さんたちは「お客さんに気持ち良く食べてもらうこと」が仕事である。
しかし、店長さんには、二つの仕事がある。
ひとつは従業員と同じく「お客さんに気持ち良く食べてもらうこと」であり、
もう一つの仕事は、「従業員さんたちに、気持ち良く働いてもらうこと」である。

この場合、「お客さん」が「ワークショップを受けに来る参加者」に相当するのは間違いない。
では、「従業員さんたち」と「店長さん」について、どちらが「実行委員会のメンバー」で
どちらが「CAPの講師スタッフさん」たちに相当するのか…
 …は、これを読む人によって意見を異にするはずだ。

どちらがどちらでも構わない。
どちらも、自分たちが「店長さん」に相当するつもりでいればよいのではないか。(これは個人的な意見です)





(…癒しの花束?)





雑記

ファミレスの「従業員さんたち」と「店長さん」の役割(仕事)については、実際に店長さんを
やっている知り合いが言っていたことで、なるほどと思ったものです。

昔のおぼろなキネヅカで考えると、
「お客さんに気持ち良く食べてもらうこと」は「組織」の「目的」(P機能)で、
「従業員さんたちに、気持ち良く働いてもらうこと」は「組織」の「維持」(M機能)に相当する。

組織の「維持」(M機能=メインテナンス)がなされないと、お客が食べに来たいと思っても
「あら、お店はつぶれたのね」という状態になる。

実際のレストランと違うところは「従業員」や「店長」の「報酬」が金銭ではなく心理的なものであり、
(お札ではなく、参加者から回収されたアンケートであったり)するので、ここでの「お客さん」のなかから
「従業員」に転じようという人や「じゃあ、自分たちで店をつくりましょう」なんてことをいうひとがなかなか
いないことである。

もっとも「噂に聞くCAPと言うメニューをウチでも作りたいと思うが、実際に食べてみない事には。
果たして自分の地域で店を開くに値するものなのか(新聞や本で知っただけでは)確信が
持てないので」という理由で、斥候のような役割で食べに来る人はいる。

妄言多謝 <(_ _)>(00,7,03)