「CAPを頼むのは、お金がかかるんですか(溜息)」 と、言われることがある。
( たりまえだ。 )
CAPを依頼する側にいる私でも、一寸考えればわかる。
バックに宗教団体や政治団体があるわけでもない。
非営利組織(NPO)で運営していくしかなかろう。
いくら非営利でも、無償ボラだったとしても、事務所を借りれば家賃、電話代、光熱費がかかる。専従で事務にあたる人も必要になる。依頼を受けて出かければ交通費もかかる。
土曜の午後2時から3時までワークショップを頼まれれば、前後の往復時間をいれると、講師は土曜日の半日を費やすことになる。
これで講師料無しならば、無償ボランティアどころか、持ち出しボラになることは必須だ。
「有志による善意のボランティア」では続くわけがない。
システムとして、成り立たなければ継続しない。
それでも、講師料は、育児マップのメンバーが、以前に行った市民講座の(”食卓が危ない”などの)講師料に比べると、安いのである。(講師はロールプレイを行う以上、二人以上で来るんですよ!)
もちろん、ボランティアで、謝礼は交通費とあとは相談に応じるというグループもある。
これはたぶん、講師料が壁になってCAPが普及しにくい面があることをを考慮して、普及を目的として、当面はボランティア(グループの手弁当)で依頼に応じようという苦心の策なのではないかと推測できる。
しかしこれは、頼む方は、人の善意にパラサイトすることだと自覚していた方がよい。
もちろん、企画してCAPのグループを呼ぶほうも、周囲を説得して実施するまでが大変だろうということは想像に難くないけれども。
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ある社協では、一時的に足が不自由になったお年寄りのために、車椅子を無料で貸し出している。すると、借りた人の中には足腰が回復しても車椅子を返さないままの人もいる。
そして壊れているわけでもない車椅子が、粗大ゴミ置き場に放置されているのが発見されたりする。
「無料」にはこういう危うさがつきまとうのである。
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「ボランティアで引き受けてくれるグループもあるそうなのに、なんでお金が必要なグループに依頼するのか」というのは本末転倒で、対価を払って依頼するのが正当であり、講師料を相談に応じてくれるグループというのは、本来CAPワークショップを依頼する自分たちが払うべき対価を、相手のCAPのグループが自前で払ってくれているのだと思った方がよろしい。
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