ボランティアのやめさせ方 考 
ボランティアだから皆、自発的にまじめに取り組んでいるとは限らない。

その1
小学校のPTAも無償ボランティアの一つだと思うが、自分の子どもが通う小学校のPTAでは幸いにして「やらされボランティア」の出現率はそれほど高くなかった。

 しかし、各小学校のPTA役員から出向した「有志」(ウソだ)の理事によって作られる青少年問題協議会(略称、「青少協」)には「やらされボラ」が少なからず出現した。

 青少協の役員は小学校のPTA役員のように1年で全員が交代しては立ち行かない内容なので、2〜3年の任期で、3分の1くらいの人数ずつが交代していく仕組みになっている。(※何十年も理事をしている地域の有志の方々もいる)青少協は市内の中学校の学区ごとに一つの地区が作られ、市内で7つの青少協の地区がある。

 理事2年目になると他の地区の青少協との会合に「役」ごとに出席することになる。
そのなかのある「役」の代表として他の地区との会合に出席してきたある2年目の理事と、その地区の事務局長との間でこういった会話がなされたそうだ。

 事務局長  「(他の地区との会合で)どんな話があったんですか」
 2年目のある理事 「わかりません」
 事務局長  「次の(他の地区との会合の)集まりはいつですか」
 2年目のある理事  「わかりません」
 事務局長  「そんなはずはないでしょう」
 2年目のある理事「そういえばこんな書類をもらってきました」
 (と、書類を事務局長が見ると、次の会合の日時は書いてあったそうだ)

事務局長によると、こういう理事が2名いて、「まったくやる気がなくてどうしようもないのでやめてもらった」そうだ。

「みなさん、小学校の役員から青少協に出向する委員を出すときは、活動の内容をちゃんと説明してください。納得した上で青少協の理事になってください。私たちは年齢的にいって、『お元気ですか』と聞かれて『はいもちろん』と言えるような人ばかりじゃないのはわかりますよね。(下の子が中学生という理事も多い。更年期障害は他人事ではない)皆、それでも頑張って役員をやっているんですよっ」と、6月早々理事2人を除名したいきさつその他について、事務局長は理事1年目のお母さんたちに向かって力説した。

そんなやめさせられ方を実行する人が本当にいたとは....先を越されてしまい、くやしかった。(冗談です) 事務局長の話のとき隣に座っていた私と同じ小学校から出向した理事1年目の友達は「青少協役員の任期が2、3年だなんてちっとも聞いてないよね」と、ぐちった。
ウチの小学校のPTAでは、青少協役員の任期について「明示すると出向する理事のなり手がいなくなるから」という有難い御配慮により、知らされていなかった。任期を知らされないまま役員になった私は(同じ役員の方も)自分も面(ツラ)の皮がもう少し厚かったらその方法でやめさせられてもらえるのにと思った(はずだ)。

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 ほかの青少協については知らないが、私の属する青少協はいい意味でも悪い意味でも旧態已然の組織だ。
 ほかの自治体の青少協のなかにはCAPを企画するところもあるので、私は理事になったとき、何十年来と理事長を務めているここの地区の理事長に、CAPについて力説した上で、CAPの資料(CAPについての新聞の記事のコピー類を封筒に入れたもので厚さ1センチ)を渡した。

後日、私と理事長の会話。

私 「CAPの資料は読まれましたか」
理事長 「忙しくて読んでいない」
私  「じゃあ、他の人に資料を見せたいので、返してください」
理事長 「どこにしまったか忘れた。」
......
1年以上たっても、いまだにCAPの資料は帰ってきません(大泣)

私は理事長と先に挙げたやる気のない2年目の理事とどこがどう違うのか、400字詰め原稿用紙3枚以内で説明せよと言われれば説明できるし、理事長をやめさせる方法も知っている。理事長をやめさせるには自分が理事長に立候補すればいいだけの話だ。しかし私は青少協の理事長なんて絶対にやりたくないので、やめさせることが出来ない。
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 ボランティアをやめることもやめさせることも諦めるしかない場合もある。



その2
 PTA役員以外にも図書ボランティアや家庭科ボランティアなど、本当の有志による学校ボランティアがある。縁があったので「読み聞かせ」についてのサイトをいくつかまわってみた。
すると、そのようなボランティアのなかにも「困ったさん」は出現するということもわかった。

あぅ「読み聞かせ」よ、おまえもかっ。(笑)

自分と同年代のある女性(Aさんとする)は言う。小学校での保護者による「読み聞かせ」グループを結成しているが「学校に入っているボランティアが増えれば増えるほど、とんでもないのもいる」。

一般の職場にもきっと「困ったさん」はいるだろうが、無償が前提の有志によるボランティアは、「やる気がないなら来るな!」と言っていちがいにやめさせることが難しい。

 もちろんリーダーから見れば「困ったさん」のボラにもやる気はあるだろう。しかしボランティアの中には「(お互いに)出来ることを出来るときに出来る範囲で」を「自分の都合のいいときに、自分の都合のつく範囲で、自分にいいように(他人の都合は「アウトオブ眼中」)」と変換している方や、社会常識に欠けている方もままいらっしゃる。

 リーダーから見れば「まとも」な範疇の人でも、「読み聞かせの技術の進歩向上をめざしたい」リーダーとそれほどでもない人達の間には温度差が生じる。

 なまじ金銭的報酬が目的で集まったわけではない善意の地域ボランティアさんたちだから、そのグループをまとめ、ひっぱっていくのは難しい。(ひっぱっていくといっても、なにも向上を目指すとは限らない。一定のレベルを保ち続ける、というのが難しいこともある。)

 彼女は困ったさんたちをやめさせようとまでは考えていないようだが、読み聞かせの学校ボラは地域のグループということもあるので、「困ったさん」やグループの方針についていけない人を下手にやめさせるような事態に追い込むと後がこわいことは、私は容易に想像がつく。

 つまり、自分がグループの方針に合わないのが理由でやめた(やめさせられた)ことを快く思わない方のなかには、保護者会などのPTAの集りで、グループの悪い方の宣伝をしてくださる方がいるのだ。

 あのグループはリーダーがワンマンだの厳しいだの、雰囲気が悪くて気楽に参加できるところではないだのと、あることないこと、(自分のことは棚に上げて)、吹聴されれば、「あのグループは怖いらしい」という風評が立ち、グループに新しい人が入ってきにくくなる。

(これは、生活クラブの共同購入の仕組みについていけなくてやめた脱退者のなかに、御近所に生活クラブの悪口を言いふらす人がいることと似ている)
(注/今は生活クラブには個人配達が導入されたのでこの種の話は聞くことがなくなった)

困ったさんが出現しても、リーダーや学校・図書館側は何の手も打てないのかというと、こんな手もあるそうだ。

 ある図書館の読み聞かせの会では、「業を煮やした図書館の職員が専門家の大学教授を呼び、勉強会を開いた」「そこでその教授は、ボランティアさんたちを前に『読み聞かせはいい加減な気持ちでやるもんじゃありません。子どもたちに害を与えます。いい加減な気持ちでやっている人は今すぐ辞めなさい!』とぶちあげた」そうだ。(パチパチパチ)

なるほど、外部の権威のある人を招いて、リーダーや図書館側の言いたいことを言ってもらうというわけだ。

しかしAさんはその方法の採用について司書の方と話をしたが「ボランティアの歴史も規模も小さい自分達のところでは、時期尚早で出来ないね」「そんなことをしたらボランティアに参加する人がいなくなるだろうね」ということで、「ウチでもこういう方法ができたらいいけどね」という雑談の域をでなかったそうだ。

 ボランティアのグループをひっぱっていく側は大変だ。目標レベルをどこに置くかでリーダーの気の持ち方も違ってくるが、あまり頑張らないでといいたい。
 (ムカシ私もある場所で「どうして皆、頑張ってくれないのよっ!」と思い、がんばっていたことがあるので、えらそうなことは言えないどころか、これは反動的な物言いにほかならない。)

 最近リンクが増えたこともあり、CAPの企画についてのメールをよくいただく。私はその返信メールはたいてい「では くれぐれも頑張り過ぎないようにしてください ヾ(;´▽`A``アセアセ」と締めている。

Date: 2004-01-03 (Sat) (k)

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