都内の自治体によるCAPワークショップの実施


東京

葛飾区が都内で初めて本格的にCAPプログラムを
小学校の授業に取り入れている。

葛飾区に、今年度のワークショップ実施状況と、その為に計上している区の予算について
問い合わせてみました。これはその御返事です。
葛飾区教育委員会 生涯学習部 青少年課 青少年係より
「平成12年度葛飾区各会計予算書」には以下のように掲載されています。
  一般会計 
(款)8 教育賛
 (項)6 社会教育費 
   (目)2 社会教育振興費
       4 青少年育成事業経費
       (3)いじめ・誘拐・虐待から子どもが身を守るための講習会   3,163千円 

            (管理人注/316万3千円の予算をCAPに計上してるとゆうことです)

平成12年度実施小学校 38校(全52校中)

内訳  保護者講演会     35回
     子どもワークショップ  84回
      内訳   4年生   2クラス
            3年生  41クラス
            2年生  41クラス


葛飾区の平成13年度のCAP実施状況

予算 4,426 千円(12年度比較…1,263 千円増)

(管理人注/442万6千円の予算です)

平成13年度実施小学校 49校(全小学校)

内訳  保護者講演会     49回(各小学校1回)

     子どもワークショップ  49校101クラス

      内訳   6年生   2校   4クラス
            4年生   4校   8クラス
            3年生  20校  38クラス
            2年生  23校  51クラス
葛飾区教育委員会 生涯学習部 青少年課 青少年係にFAXでたずねまして答えていただきました.ありがとうございます。全小学校の数が前年より3校少ないけど、少子化により、合併閉鎖したんでしょうか?


 もともと女性センターや社会教育館などで行っていたCAPプログラムに葛飾区の教育
委員会の青少年課職員が関心を寄せ、区内で多発する性的暴力事件などへの対策と
して、都内のCAPのグループに要請して、98年度に区内の公立の3小学校でモデル的に
ワークショップが実施された。

 モデル校での成果や教員対象の講習会を開いたことが実施希望校を増加させ、99年
(平成11年)度は20校で2、3年生を対象にクラスごとに行われた。
そして平成12年度は上記のようになっている。
将来は区内全校での実施も考えられているとか。    

葛飾区教育委員会はエライ (のびコラム)

 公立小学校へのCAPの導入は、現時点では、関係者のCAPに対する理解と熱意が
ないと、なかなか出来るものではない。
 はっきり言えば、CAPの内容に対する関係者の理解もさることながら、予算(講習
料)が必要という話になると 「そういうことは、学校の先生が授業の中で子どもに
教えれば済むことじゃないか」という反応がでるうえ、学校の教室へ外部の人を招く
ことに抵抗感を持つ教師もいる。

 新しいことを導入しようとする人は大変だ。
 実施に向けての予算の確保や各小学校への働きかけなど、行政職員の努力が
なければ、実現できない。頭が下がります。
そういう職員さんのいる自治体がうらやましい。

 しかし、もし仮に、”都内の公立小学校は児童全員がCAPワークショップを受け
られるようにする”という決議が都議会でなされ、補助金などの予算が付いた場合
には(「仮に」ですよ)、ワークショップの需要に対して供給が追いつくものではない
(ワークショップを実施できるグループや人材が不足)だろうという実際問題が予想
されるので、単純に「CAPを導入していないウチの市はオクレテイル!はやく導入
してくれ!」と、言いにくい。現実を見ないで行政に要求だけするのは片手おち。

 また、「CAPの導入が西高東低となっていることについての推理」のところで
書いたように、ある意味でCAPを必要とする”需要”があればこその導入というふうに
考えるならば、(残念なことに、凶悪な事件が起きると、それがCAPに対する
追い風にならないでもない )CAPの取り組みがなされてない自治体というのは、
それだけ平和で、問題が発生してこなかった(ゆえに切迫感がない)とも言える。
 あるいは問題が起きても表面化しなかった.または個別の問題としてとどまり、
一般に共有されなかったというだけかもしれない。
(東久留米でもおかしな人が出没する話はよく出る。)

 しかし、今やどこの地域に住んでるから安全というわけでもない。
また、自治体ごとの教育格差がこれから予想されるので、やはり公立小学校に
CAPを導入した葛飾区はエライ。うらやましいことに変わりはない。

参考ファイル
のびハハによる葛飾区への問い合わせの文章
自治体ごとの教育格差がこれから予想される?
自分のとこの自治体と近隣の自治体の予算を比べるの例
学校教育の場への普通の人が入ることについて
「寅さんと両さんのまち・葛飾のCAP」 葛飾区教育委員会 生涯学習部 青少年課

都内でも、公民館やPTAの有志,市民による実行委員会をつくってのCAPワークショップが
時々行われることを耳にするが、たいてい単発の催しである。
自治体の公教育にCAPが取り入れられることにより、どの子も一度は
ワークショップを受けられるシステムになっていくのが望ましいことはいうまでもない。

埼玉県 
上福岡市ではCAPを同和・人権問題として市教育委員会社会教育課が補助を出している。

神奈川県
綾瀬市では教育委員会が教職員研修でCAPを行い、「正規の授業でCAPを行っても
良い」と明言、研究授業でもCAPが取りあげられた。これらを受け、綾瀬市立落合
小学校では全学年全クラスでCAPプログラムが正規の授業として行われた。
この他の綾瀬市立小学校でもCAPが授業として採用され始める。

大和市では民生委員児童部会が「児童の健全育成事業の推進」の一項目にCAPを挙げ、
県に予算を申請、99年度、市立小学校3校で1学年ずつ授業にCAPプログラムを行う
ことが決まる。この他にも海老名市などがCAPを教職員研修に採用。


神奈川県の情報については、横浜の「ライフサイクルの中で子育てを
考える会」のミニコミ誌に掲載されたものを引用させていただきました。
「ライフサイクルの中で子育てを考える会」とは・・・
「今の子どもたちを取り巻くさまざまな問題を「責任ある大人」としてできるところから、
とにかく行動しよう!と自分の子どもと同じ年齢の子を持つ母親だけでなく、さまざまな年齢の子どもの
母親たちが集い交流を図りながら、考え動こうという会です。
横浜市都筑区を中心にミニコミ誌を毎月4500部ほど発行しながら、講演会や勉強会、
他市の給食視察ツアー、諸施設見学会等を企画・運営しています。」 (同会のサイトの記事より)